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世界マンガ会議

 箱根で開催中の「WMC(世界マンガ会議)」では、現在、世界各国からその道の権威、大家が集まり、マンガ界のワールドスタンダードを決める議論が行われています。

 まず最優先事項として議題に挙がった「世界で一番面白いキャラクター」ですが、どうやら昨日未明に決定した模様です。WMCの発表によりますと、『会長(カイジ)』 『班長(カイジ)』 『澤井(涯)』 『烈 海王(グラップラー刃牙)』 『伝統派空手の栗木さん(グラップラー刃牙)』 『栗田ゆう子(美味しんぼ)』 『大南牧場長(美味しんぼ)』 『ラーメン三銃士(美味しんぼ)』 『岡田斗司夫(評論家)』 『南方熊楠(てんぎゃん)』 『岩原都知事(アテルイU世)』 『キユ(漫画家)』 『水島新司(漫画家)』 『雁屋哲(原作者)』 などの並み居る強豪を押しのけ、『不吉霊三郎(ドカベン)』が世界で一番面白いキャラクターの栄冠を手にしたとのことです。

 早速受賞式に取材陣として参加してきました。産みの親である水島先生を上回る得票数を獲得しての受賞ということで、不吉選手はその栄光に、水島先生は産みの親としての喜びに、それぞれ感涙に耐えないご様子でした。ご両人の感慨の深さは計り知れません。ペナントレース中ということで残念ながら不吉選手は授賞式には出席できなかったため、代わりに水島先生がトロフィーを受賞しました。これまでに、「野球の基礎を作ったのはワシ。完成させたのもワシ」 「送りバントは諸刃の剣やで…」などの数多くの名言を残してこられた水島先生は授賞時の壇上でも、「不吉は、プロ野球に『呪』というまったく新しい要素を持ち込んだ偉大なキャラ」「相撲が落ち目の今、野球こそを国技にするべき」「立法、行政、司法に”野球”を加え4権分立とすれば、日本は法治国家として世界に認められる」などの仰天発言を繰り返すと同時に必殺ギャグであるコマネチを連発するなどの水島節を炸裂させ、会場を沸かせていました。

 審査委員長のあかほりさとる先生は「『カイジ』第二部第一話の会長の預金自慢も素晴らしかったが、不吉選手の、試合中に起こった全てのアンラッキーイベントの責任を無理矢理負わされているにも関わらず不適な笑みを絶やさない不屈の精神に惚れた」とコメントしています。フランス代表のジダンさんは「僕は栗田ゆう子さんを推したんだけど、あかほり先生に「君、あれは『面白い』んじゃなくて電波なだけだよ」って諭されてさ。ああなるほど、って(笑)」というコメントを残し本国に帰られました。

 会議は開催地を日光に移し、次のテーマである「作者の勘違いが甚だしいマンガ」を議題に、審査員を一新した後、19日から再開される模様です。

 

不吉霊三郎さんプロフィール
 信濃の酒造り大学(?)を卒業した後、オリックスブルーウェーブへ入団。造った酒を仰木監督に1ページに渡り褒められるという快挙を成し遂げる。「酒造りに比べたら野球なんて簡単だ」という発言からも、彼の底知れない器量を伺いしることができるだろう。
  彼が試合に出ると、なんかイレギュラーバウンドやデッドボールが増えるらしい。最近では、王監督が「不吉からオーラが出てるぞ」という発言をし、バッティングコーチに心配されるという事件が起こったのは記憶に新しい。

 

お笑いマンガ道場所感

 

 お笑いマンガ道場の司会者として全国的に有名な柏村武昭さんが、現在、地元である広島県で参院議員をされていることを知った。 お笑いマンガ道場といえば、我々20代の若者にとっては、ドリフ、お笑いウルトラクイズ、風雲たけし城などに並び、お笑いベストプログラムに数えられることも少なくない、偉大な番組である。この番組がもたらした功績と、我々に与えた影響は数知れない。
  鈴木義司先生と富永一郎先生の脱力ポンコツバトルは、”お約束”の重要性を明確な形で表現したものであり、ガチンコファイトクラブやWWFといった、エンターテイメントを標榜している21世紀スタイルのプログラム群に影響を与えていることは最早周知である。
 往年の川島なおみの「私の血はワインで出来ている」発言は、”マンガ道場→ワイン”という流れのあまりの極端さから来る戸惑いと混乱を我々に強要し、勘違いの恐ろしさを広く執拗に日本国民に知らしめた。
  車だん吉のやる気の無さは、当時の先進国に蔓延していた、深刻で根が深いニヒリズムの病理をいち早く体現していたものであり、我々若年層はだん吉をブラウン管を通じて見ることにより、その脅威を肌で感じ取り、来るべき発病期に備え、予め対策を取ることができた。
 他にも、風船爆破クイズの茶番さ、おたよりコーナーのだん吉の家に帰りたいオーラ、鈴木先生の提示した、「土管」に象徴、集約される、ある一つの人生の末路、富永先生の教えてくれた、幻想を打ち砕く、女性性の真実……。等々、枚挙に暇が無い。
 今、改めて振り返ってみると、我々がこのプログラムから本当に多くのことを学びとっていることが分かる。お笑いマンガ道場という存在は、少年期、少女期を通過するために必要な儀礼だったのだ。
  そんな先鋭的且つ普遍性を備えていたお笑いマンガ道場というプログラムを指揮し、百戦錬磨の出演者達をまとめていたのが、柏村武昭さんなのだ。それほどの実力を誇っているのだから、一地方を代表し、国政に参加するという重要職務である参院議員になられるのも道理である。是非、このまま政治家として邁進し、ゆくゆくは中央に覇権を唱え、かつての配下であるマンガ道場の面々を国家の中枢に入り込ませ、国政を大混乱の渦に落としこんでほしいものだ。その暁に採用されるであろう、「川島なおみ→外務次官」「だん吉→インパク2003最高責任者」などを一例とする、ぼくの提示する人事政策が吉と出るか凶と出るかは定かではないが、とっくに病んでしまっているこの国は、それくらいの荒療治を必要としている。