| 不可視 |
| 2003/03/22 |
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何十も前の新宿・古い商店街に、ともだちが部屋を借りたというのでひとつ遊びに行く。僕は上野川さんと、もう大体店が閉まってしまった道を歩いて、その家を探す。 該当する家があった。ショウウィンドウをのぞいてみるけど何も置いてない。呼び鈴を押してみると、もう一つの違う音の呼び鈴が鳴って、2階から返事が来た。僕らはその小さい階段をのぼる。知らない人が来たら困るから、呼び鈴の音を変えているらしい。 2階はたいへんボロい和室の八畳間で、人がいっぱいいた。10人くらい。彼らは僕がきたことに気づくと大声を上げた。と思ったら麻草、ちょっと年を取った竹田君、ちょっと年を取った袴田がいた。袴田は女なのだけど、昔は可愛かったのに今は年を取ってしまって残念だなあと思う。他には女が一人、あとは男が数人いたのだけどみんな知らない人。中では独特の香りがするものがモクモクと煙を上げている。 彼ら10人は、ザーメン!ザーメン!と声を合わせはじめた。袴田は自らの男性器を露出させ、激しく上下させる。女なのに男性器があるのは、まあ会ってない10年間の間に何かあったんだろうなあと思う。まもなく、袴田は射精をした。 雨が降ってきた。階段と繋がっている八畳間の廊下部分が、激しく雨漏りしてきた。竹田君は手慣れた手つきで土嚢のようなものを廊下へ移動させ、扉を閉じる。僕はあわてて廊下に置いてあったパソコンの電源を切る。竹田君はパソコンに電源が入ったまま水に濡れてもお構いなしのようだ。逃げ場のない水は、階段下に流れてゆく。僕らは 「廊下の排水溝が詰まってるからいけないんだよね」 と何度も何度も何度も何度も繰り返す。
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| 2002/06/08 お葬式 |
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学校に行く間に、お葬式を何回も見た。かくいう僕もそのお葬式のひとつに参列するために学校に来たのであって、他の家のお葬式を覗いている場合ではないなあ。 葬式かと思ったらちょっと違って、教室の僕らの席それぞれに一つずつ位牌が置いてあった。僕らは死んだのかなあ。気持ち悪いなあ、アハハと言おうと思ったが別に気持ち悪くも何ともなくて、ただ話し相手が欲しいなあと思った。みんな黙りこくってる。 |
| 2002/7/29 パイロット |
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竹田さんは、割と誠実で命令を逸脱したりはしない優秀なパイロットであった。がしかし、今日突然、竹田さんは、「ロシアに行きたい」と言い出した。 僕らはセスナ機8編隊で国後島まで行くのであるけど、竹田さんはロシアに行きたいといい、残りの燃料も考えずに一人で編隊を去っていった。 無線で、飛行中の僕にこっそり、竹田さんは「ロシアに行きたい」と言う。ドストの国ロシア、だそうだ。こっそりといっても、無線でそんなことを言うと他のパイロット全員に筒抜けなのだけど、竹田さんは必死に止める僕を無視して一人去っていった。 国後だってロシアみたいなものなのになあ。 |
| 2002/04/02 吉祥寺 |
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仕事中、エレベーター。乗り込んだあと、いやな臭いがして湿度が高いと思ったら、肉子が乗っていた。我慢して、最上階まで待つ。肉子は、エレベーターをわざと揺らしだした。エレベーターは地震のアラームを発して停止する。肉子は「アハハ止まっちゃった!」と言っている。僕は、肉子に殺意を抱く。 電気屋さんの上の、古い喫茶店。僕ら以外、他の客はひとりもいないみたい。こういうところが好き。窓から外を見ると、狭い道をRZ67を持った男の子が歩いている。写真学生かな?さすが、吉祥寺だな、って思う。目の前の女の子が「私 2ch で叩かれたことがあるの」と言う。切り抜きだらけでボロボロになった雑誌を見せられる。駅までの長い道のりを、歩いて帰る。 参考、肉男さん (佐々木さんありがとうございます) |
| 2002/3/18 逆送電車 |
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高校の友達と、電車に乗って帰る。僕は駅で、友達を見送った。電車が逆送して、戻っていったかと思えば正しい方向に進んでいるみたい。終点でもないのにね。電車はとてもゆっくり走っていく。僕は歩いて帰ったほうがいいなと思って、電車をとびおりた。 道に迷っている。工業高校前(表参道)行きのバス停があるので、ここを進めばきっと表参道まで着くのだろうなと思う。さびれた商店街で、陽は夕刻にさしかかろうとしている。ほこりっぽい冬の空気が、斜陽の通り道を映し出している。僕は自転車をひいて、坂道をのぼる。 |
| 2002/02/27 reconstruction |
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閉塞感。なにからなにまで順番に並べられて、NとSはくっついて、VccとGNDは平行、さらに整頓されていく。整頓された僕のパーツはバンドとネジで留められ、最終的にパネルに填め込まれた。 幾つかのパネルはお互い、何月何日何時何処で待ち合わせしようか、って訊き合ってる。僕の横には、何のパネルも接続されていないことを不安に感じ、積極的に待ち合わせに参加するようにした。よくわからないけど寒くて、僕らはもう機械なのにどうして接続するのかな、なあ、あれ?かたおかさん、いま左下にいるのだけど こういう人だっている、バロウズせんせのゆめ 山形訳 |
| 2002/02/06 引っ越し |
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半畳くらいの屋根裏部屋、僕はここに住むのかと思ってうんざりしたが、そこは汲み取り便所だった。 木の板で蓋がしてある。暗くて陰鬱なのに、とても綺麗で、澄んだ感じがする。遠く上の窓から細長く射し込んでくる、冬の日差し。 埃の、いい匂いをかぎながら、僕は、本当に幸せだなあと思った。 上野川君は、引っ越し先を探していた。古い、大きな建物なのだけど、もう誰も住んでいない。上野川君はもうお金を払ったんだと言い、鍵のかかっていない裏口から勝手に入っていった。裏口すぐに、屋根裏部屋に続く汲み取り便所がある。 |
| 2002/01/29 |
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家路を急ぐ茅ヶ崎駅前のロータリーで、古い友達に会った。確かに僕のせいで、この友達は駄目になったんだと思う。僕は、もう電波になってしまった友達と一緒に、懐かしい定食屋へ行った。 いいものも悪いものも無い、すべてただ好きか嫌いかしかないのだ思っている僕に、頭に刺した棒で軽く宙を浮きたいと言う友達は、案外悪くない組み合わせじゃないかと思うよ。いや、僕はそれすら、嫌いなものすら忘れてかけていて、それらは所謂気持ち悪い、と置き換わろうとしていた。 気持ち悪いもの、不可視。禁止。 僕は、夢の映像を写真に写すことができるのだよ、という話をする。ほら、夢を見ている時にまず、これは夢だっていうのに気づかなきゃいけない。そして気づいたら、寝る前に準備していたカメラを掴んで、レンズを目に向けてシャッターを切るんだ。全部、目を醒まさないでしなければいけないから、難しいよ。 |
| 2002/1/1 初夢. |
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古い、ぼろい、スーパーマーケットにいる。僕は父親と何かを探して、店の中を歩く。服とかも売っているみたいだ。 凄く高い。もう埃だらけで、およそ 10 年は経過しているだろうという、作りの悪いセーターが1万円くらいで売られていた。無造作にハンガーに掛けられている。僕はそれを見て、とても悲しくなった。店内は、そんなものばかりが並んでいる。僕は、どうしてもその、セーターの気持ちになってしまう。 僕はダムの管理部屋へ遊びに行く。とても明るい部屋。古い、木造の白い板張りの小屋なのだけど、暖かい感じがする。部屋の後ろの非常階段から、眼のパッチリしたかわいい女の子が降りてきて、僕は柵越しに女の子と話す。僕は部外者だから、柵の中には入れないみたい。女の子は、このコンクリートの非常階段が特別製なんだよね、と言う。 |
| 12/20 セクサイ |
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中学生。公会堂のような暗いところで、皆で二列に並んでいる。私はこの人とは、死ぬまで会わないのだろうと、何年も忘れていたのに、まったく思いがけずに会えた。 彼女はテレビが壊れたので、どうすればいいだろうと相談してきた。私は直し方なんて判らないのだけれど、叩けばいいのでは、と答える。それで、叩いたら直ったらしい。テレビだろうが、何だろうが、あまねくいいかげんなもので、案外それでいいんだなあと、嬉しく思う。 男の子と女の子の二人ずつ、どこか、遠いところに行くらしい。 SEXAI について。僕らの自宅に、博士のような風采の爺さんががマシンを持ってきた。ビデオデッキ+アイトレック+ヘッドフォンみたいだ。私の同居人の一人ずつに、それをかけてみている。一人ずつ部屋に呼んで、思い思いの女の子を頭に描いてみろ、という。資料があればもっといいのにな、言っている。私は、その爺さんをとても怪しく思う。何か別の目的があるような気がする。 ベランダに出ていたら、同居人の上野川君と谷道君が出かけようとしていた。「セクサイってどうよ」「何それ」「あのじいさんの持ってきたマシンのことだよ」「すげえいいよ、だから今から俺らはあのマシンをもっと出せって爺さんに言いに行くんだ」 きっと死んじゃうに違いない。やめとけばいいのに。 僕は、布団に寝ころんでいたら浴衣を着た背の低い女の子がはいってきた。ははあ、これがそうなのね。あんまり好みじゃないけど、やってしまえ。 僕は、15年前に読んだ、Oh!PC 誌のダンプリストに挟まれた、2ページほどの SF の連載記事を思い出していた。 僕は近頃の記憶が薄れて仕方がなく、そのことで後悔もするのだけど、いや、それが本来の姿だって思ったっていいはずなんだ。 |
| 10/31 |
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中学時代の知り合い、北村さん。僕は北村さんと、泥が風化して掘れている縁の下、ほこりがいっぱいあるところで話をした。北村さんは、みんながだんだん離れていってしまって、どうしようもないという。もう何ヶ月も経った。話をしてくれるのはおまえだけだ、という。 もう言葉もあんまり覚えてないみたいで、片言になってるんだけど、私には北村さんが何を言いたいのか、私の目の前に、絵がすっと浮かんでくるようにわかる。どうしておまえには俺が何を言いたいのかわかるんだ、ほら俺は、言葉が、あんまりわからないでしょう、と言う。みんな言ってるだけなんだ。そうじゃなかったら、救いようが無いじゃないか!アハハハハ!
Aクサ。部屋で体育座りをしているのって本当らしいよ!以前のヒモにもらった少しのお金で生きているのって本当らしいよ!アハハハハ!こりゃあ傑作だよ笑うしかねえよ、なんで、本当って意味わかんねえよ!言ってるだけだよ! |
| 10/25 緩慢 |
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私は、大きな風呂に入っている。妹がきて私を、沈めさせようとしている。お湯が、まわりをどんどんつつんでいく。私は、ああ、溺れるのだなあと思う。溺れて苦しいけど、そうしようと思ったから、そうしているのだと思った。コンピュータへ命令するように、自分で『溺れる』のスイッチを押して、私は、排水溝に流れていく。 |
| 9/15 |
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中学校には誰も来ていない。自分一人みたい。間違えて来たんじゃない。先生は僕の前に立って授業を始めようとしている。特別授業で1時間目と3時間目が体育みたいだから、体育着を取りに行く。 学校の裏山には川が流れている。ダムへ行く道の途中に僕は 小さな小屋を建てて、いろんなものを仕舞っていた。そのなかに体育着も入っている。小雨が降っているから、泥道を通ってその小屋に行くのは面倒だ。 小屋に着いたら、くつは泥だらけになっていた。裏山の道は急な坂だから、泥道に小川ができていてよく滑る。小屋をあけて体操着を取り出そうと思ったら、川の上流の方からダムのサイレンの音が聞こえてきた。ダムの水を放流するんだろう。細い川のそばに建てた小屋はきっと流されてしまう。小屋の中身をみんな持って、どこかに置かなければ。 雨が強くなってきた。服はびしょぬれだし、荷物をたくさん持っているので歩きにくい。うちのアパートが近いから、家まで持って帰ってしまおう。 湘南台にあるアパートの 204 号室に着いたら、既にそこには別の人が住んでいた。大学のときに住んでいたワンルームのアパートだけど、もう引き払ったのを忘れていた。その部屋からはパソコンのキーを叩く音がしてきた。きっと、玄関口にしか電話線がないから、そこにパソコンを置いたのだな、と思う。色温度の低い灯りが窓から漏れていている。 どうしよう、もうここは家じゃない、と思った。うろうろしていたら、その部屋の住人がいぶかしげな顔をしながらドアを開けた。びっくりして逃げる。まさか、私は以前ここに住んでいたものです、だなんて言えるわけない。ああ、外に小さな倉庫があったのを思い出して、勝手にそこに置いてしまおうと思う。 雨が強くなってきた。服がもうびしょびしょで寒い。手ぶらになった僕は、204 号室の窓をちらちらと見る。4人ほど客が来ているみたいだった。一人と目があった。怪しまれているから、すぐにここから離れよう。 父親の事務所へ行く。家は遠いから、帰る方法がない。 着いたけど、事務所には誰もいなかった。電気は点いているし暖房もきいているのに、誰もいないのは変かな。奥の給湯室ではガスコンロにやかんが弱火でかかっていた。弱火とはいえ危ないと思ったから、火を消しておく。 だれもいなくても、まあいいや、と思う。二階が好きだから二階に行こうかと思ったけど、地下室へのドアから光が漏れている。地下室に行ったら、父親が一人でいた。事務所を地下に移動させたいと思ってるらしい。机が足りないとか、でも10年くらい前に机は新調したんだ、机は思いの外早くだめになる、と言う。僕はさっき給湯室で火を消したのを思い出して、消さなければよかった、と思う。 父親は、何しに来た、と言った。雨宿り、と答える。父親は、いつもそれだから仕方がない、と言った。 |
| 9/15 高橋さんから 100 の質問 |
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高橋さんから 100 の質問をやりました。 高橋さんはこちらの方です。あまりにもお勧め過ぎます。 それにしても私は、更新しなさすぎですね。 |
| 8/15 100 の質問 |
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テキストサイト管理人へ100の質問をやりました。 質問の作者の竹田さんありがとうございます。 |
| 07/07 無限ループ |
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また別れかあ。こんなことを繰り返して、自分だけが歳を取るのだなあ。私は、また同じ少年にインタヴューを受けてそう考えた。彼は、ここに住んでこれで何年になるのかと尋いた。わからない。年々、彼の声が若くなって言っている気がする。もう、子供なのかとさえ思った。比べるものがないから、私は歳をとったのかどうかもわからない。 さっき茂みに消えていった女性は、いやだね、と言い残していった。女同士はいやだね、と言った。 もう冬なのか、銀杏の葉がすっかり落ちて地面に積もり、丸太で組んだ階段が、見えなくなる。階段の一段ずつが次第に大きくなって、彼女は現実から離れていく気がした。 崖から見下ろすと、青い空が見える。浮いているみたいだ。そうか、私は実験で、この林に飼われているんだ。飛び降りたら、この無限ループから抜けられるのかなあ。 |
| 07/01 同じこと |
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気持ちのいい五月晴れで、船に乗るにはよい。実家に帰るには船が一番よい。 家の裏に流れる河の、垣根の外に着いたので、こっそり入り込む。 機織りの機械が並んでいる廃屋、農機具が置かれている廃屋、みかんの木の下にリヤカー、どれも陰鬱な見た目なのに、悪い感じがしない。 狭い小屋をのぞくと、斜めに西日の射し込んだ部屋があった。タイプライタが一台置かれている。祖母(だと思う)が仕事をしていたのだろう。 僕はリヤカーと西日をみて、どこへ行ったって同じことだと考えた。 |
| 06/24 歯 |
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歯茎から血が出た。違う、前歯から血が出てる。歯の中から血がにじんできて、止めようとしても湧いてくる。歯の中に赤いものが溜まっているのが透けて見える。異様な有様なので、鏡の前でニッと笑ってみた。 |
| 06/01 悪いこと |
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すごく久しぶりに、万里と電話した。悪いことをしたので、住んでいるところを追われて家がないと、ヘラヘラしながら彼女が言った。車を一人で、運転しながら電話をしていた。天竜川の堤防沿いを走っているのだという。 こんな夜中にどこに行くつもりかと訊ねたら、高田馬場に行くんだという。私は部屋の電気を消して、埃っぽい床に俯せになって、携帯の電池が切れそうだからバイバイと言った。 |
| 05/29 河 |
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実家のすぐ裏に、今之浦川という川がある。小さい頃はそこでよく遊んだ。この川は満潮時に、海から山に向かって水が逆流し、水かさが増える。 久々に帰省した私は、よく遊んだ橋の下へ行った。川辺は随分と狭くなり、水も極端に減っている。水がないのはきっと、今は干潮だからだろう。 川に用事があるのに、こんなに水が少なくては遂行できない。水門を開いてしまおうかと思った。今までいちども開いたことはない。理屈ではきっとうまくいくのだろうけど、ろくでもないことが起こる予感がするので、やめておいた。 父親の事務所。小さな土木建築設計事務所をしている。四階建ての建物は古く、錆びていた。私は裏の戸を開けて、誰もいない筈の建物の中に入った。中は蒸し暑かった。 西側に、木の階段がある。古い書類が積まれていて、かびの匂いがする。階段の窓ガラスからはいった、一日の終わりかけたきれいな光が充満していて、気持ちがよい。とても懐かしい。私は、その階段をのぼっていった。 窓を開けると、初夏の夕暮れ独特の、青臭い空気が流れ込んだ。いつものように窓から下を覗き込んだ。昔は、ここにも人がいっぱいいたのにね。 |
| 05/16 自傷 |
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今日は、午後、下北沢の井の頭のホームで電車を待っていた。あまり仲良くない友達と遊んだあと、これから家に帰る。 電車を待っているあいだ暇なので、左手の中指の、爪に、針金を貫通させてみた。予想に反し、全然痛くない。ただ、中で引っかかってしまって、うまく抜けなくなってしまった。友達にホラ、って見せたのだけど、あからさまに興味がなさそうな顔。 |
| 10/30 夕陽 |
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大学で、学祭の準備をしている。とはいっても、そんなに多人数じゃない。まったり、やっている。 ちょっと疲れたので散歩してくる。 大学の裏の出口から出ると、そこは住宅街。小さな公園もある。時間帯のせいか、あまり人気を感じない。いい匂いのする、初冬の西日が射している。懐かしい。色温度の低い斜陽は、景色を単色にしてしまう。 懐かしいと、東京を、こんなふうに感じるのは初めてだ。実家の静岡で、人のいない川沿いの道を犬の散歩をして歩いた、頃の匂いがした。 作業があまりにもマッタリすぎた。気づくとまわりに誰もいない、 真っ暗、もう夜は23時半をまわったところ。たまたま、一人で構内を歩いていた陽子に会った。もう帰れないでしょバスもないし、と言った。この人は、大学の敷地内に家を借りて住んでいる。
「うち泊まってく? ああ 私は別の家が、寝るところあるから」 バスロータリーの真ん中に、木がたくさん植えられている。彼女の家はその木に囲まれた中にあった。三角形の屋根の、小さいけどおしゃれな家だ。でも電気が引かれていない。 「散らかってるけど気にしないでね」「ああ、よく観察しよう」「やーめて」という会話をしながら、彼女はドアを開けた。 ワンルームだけど、かなり広い部屋だ。大きな天窓から、夕陽が斜めに射し込んできて、きれい。夜の筈なのになあ。懐かしい匂いがするけど、なんの匂いか思い出せない。すこし、絶望する。 じゃあね、って彼女は部屋から出ていった。 |
| 05/01 神社 |
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友達らしいひと、4人と、数十年前の家の近くの神社をたずねている(本当はない)。あれ、これは夢かな? いまは荒れている神社も、まだきれいだなあとおもう。裏のほうに、倒れた大きな墓標がある。でもそれは外人のものだったので、墓標が倒れていたら不気味だけど、外人のものなら不気味じゃないね、と話した。 社の中に入っていくと、自分の部屋がある。窓から斜光が漏れてくる、廊下に面した、北向きの暗い部屋だ。廊下は木の板が張ってあって、隣はトイレだった。 写真撮影をしていた。アイランプ1灯とコンパクトカメラ(GR1)で、友達のうちのひとり(男)のヌードを撮影していた。脳内から変なのが出てきてテンションが上がった。友達のうちのひとり(女)が、私も脱ぐ、などという。私以外全員脱いでいて、こんなところに誰かに踏み込まれたらいいわけがたたないなあと思った。 しばらくして榊原が部屋を訪ねてきた。でも、アイランプが熱いなどと言って触ろうとするだけで、裸の人間には特に疑問を持っていないようだ。触ると火傷するのになあ、と思う。 |
| 04/20 高速 |
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嫌いな友達と、トロッコのような乗り物に乗っている。ゆっくり走っているから、手を伸ばせば、レールの横を流れる壁に触れられそう。下り坂だから、速度が上がってきて、カーブで脱線しそうになる。とても恐い。でも、嫌いな友達は平気で、話しかけてくる。いやな気分。 |
| 04/19 |
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愛蔵太さんに「背景をライトにすれば」とか評されたので白くなりました。 過去ログはそのままです。 |
| 04/04 最近また繰返す |
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幼稚園の友達と一緒にあそんでいる。知らないおばさんの車にのせられて、そのおばさんの家につれていかれた。おばさんは、うちの犬かわいいでしょう、と言った。幼稚園児のわたしは、出来心で、おばさんの見ていないところで、ビニールの棒で、犬を叩いた。 ひどく、罪悪感に嘖まれる。気分が悪くなってきたので、おばさんに、帰りたい、と駄々をこねた。 家についてからも、犬を棒で叩いた罪悪感にずっと嘖まれる。風呂に浸かりながら、風呂釜に向かって、ずっと、許してください、ごめんなさい、と祈り続ける。おばさんに、犬を叩いてしまいました、と正直に言えたら楽になるだろうと思う。 |
| 03/26 autoscopy |
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いま、午後3時くらいで、窓からは橙色の光が射してきているはず。私は、リビングのクローゼットに置いてあるサーバの管理をしている。リビングの電気は点けていないから、窓のないこのリビングは暗く、隣の部屋から漏れてくる、午後の柔らかい光を感じるだけだ。 サーバだからほとんど X は使わないんだけど、GNOME の新しいのが出たから一応入れ替えようと思った(本当は出ていない)。ダウンロード中に、ウィンドウに警告が出てきた。家の LAN 上の誰かが、不正なパケットを流してる(不明)ような感じだ。マッタクもう、とか思いながら警告ウィンドウを閉じた。 増田(男,小学校の時の友達)が、女の子をひとりつれて家に遊びに来た。見えないけど、増田だとわかった。でも、リビングのクローゼット前は、部屋のレイアウト上ちょうど影になってるから、入り口に誰かが来ても、向こうからは見えない。 増田は留守だと思ったのか、女の子を連れて、そのまま出ていった。そのあとすぐ、ストロボがピカピカ光ってるのが見えて、増田のやつ女と写真なんか撮ってんな、とか思ってた。けど、それはなんか違う。 ストロボは、自分の部屋から光っていて、それは、自分自身が、写真を撮っていた。ちらと見えた瞬間、根拠はないんだけど、それは自分自身なんだと思った。思いこんだ。 部屋の戸が半開きになっていて、レンズ付きフィルムで、ストロボを光らせながら、誰か知らない人(男)を撮っている、自分の後ろ姿がちらちら見える。
分身の話し声が聞こえ、半分あいたドアから影が見える。なんだか腹が立つ。でも、少し恐いので、しばらく様子を見ていた。 GNOME は依存パッケージが多くて、まだアップデートに必要なファイルが集まっていない。ダウンロード中、苛々する。 とても厭なのだけど、意を決して部屋に踏み込む。吐き気がした。ちらと見えた分身は、部屋からすぐにどこかへ出ていった。誰かが、あいつは外のトイレに行ってきて、云々、と言っていた。 03/31 変な英語で書くのはダサいので、普通にドッペルゲンガーといいます。 |
| 03/22 アタマの花 |
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僕はそのとき、すこし気分が悪かった。親父に、お前は糞野郎だ。子に似てな、と言ったら、親父も、ああそうさ、俺は糞野郎だ。お前に似て、と言う。気が弱くて努力家で潔癖気味で強迫神経症の親父がそんなことを言うのをはじめてみる。 僕は部屋でコンピュータに向かっている。戸を開けっぱなしにしている。親父が階段から下がってきて部屋を覗き込み、糞、と吐き捨て、離れていく。あれ、この間取りは友達の家かな。 正月番組の収録をやってる。生放送かな。まとに卵を投げて当てるゲームをやってるみたいだけど、一番最初の人が命中させてしまったので、みんなひいている。有名人がいっぱいでてるけど、その中に、自分の会社の部長が居たので、少し驚く。あとで、本人に報告してやろうかと思う。ありあさん(知り合い、歌のひと)もいたので、少し驚く。アタマから直径2メートルくらいの造花を生やしていて、司会の人に、ありあさん綺麗ですね〜、と褒められていた。ありあさんは、僕のところにきてアタマを叩き、こいつはめっけもんだ〜と確かに言った。僕は、アタマの花が崩れるからやめなよと言った。 |
| 03/10 なめた外人 |
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ひとりで大きな外車に乗って、冬の果樹園の郊外をとばしている。ブレッカーのヘヴィメタルビバップを聴きながら、枝だけで閑散とした木々の間の、クネクネした道を走る。遠くには、山が見える。とても日本らしい。 飛び出してきた、まっ白い外人男性を、ほんのすこしだけ、車で撥ねてしまった。外人は宙を飛んで、ボンネットに着地した。スローモーションのようだなあ。 ガイジンは全然平気そうなのに、さも痛そうな顔を造って、ここにサインしてくれ、と言いながら、紙を探してる。 下手にサインしたらまずいなあ、と思っていたら、ごつい日本人が出てきた。いわく 「ちょっと多めに賠償した方がいいんだ。ああ。でも、このガイジンが別に構わないと言ってるなら構わないのかな。あまり、甘やかさないほうがいい。まあ、女の子だったら、いつもは優しくするんだけど」 わたしは、アメ車なんて初めて乗るけど、エンジンルームが長くて距離感覚がつかめないなあ、という。 何ドルか払って、その果樹園を走り去る。 市街地に出てきた。風景は、浜松のようだ。ここもあいかわらず道路が整理されていなくてクネクネしてるので、アメ車には辛い。何度か、前の車にカマ掘りそうになりながら、どうにか駅前まで到着する。
ああ、オフ会があって、そのために駅前まで行くのだった。忘れていた。 女性が一人男性が三人のオフだった。居酒屋に行った。みんな初対面のようで、電話番号を交換しあった。音楽の話をしたのは覚えているが、そのほかのことはあまり覚えていない。 女性、酔いつぶれる。21 歳 OL、女性というより女の子といったかんじの小さいひと。なんだか高校生にもみえる。 わたし、酔いつぶれる。22 歳無職。ケケケ。いまだ高校生に見えるか。無理か。 居酒屋のはいってる大きなビルから出ると、歩道がライトアップされていてきれい。 木の、点光源のもとで、うえの女性とわたしは倒れてた。ひそひそと、つつきあう。 いろんなところ、突っついてみたいけど、やらない。あまり、しないのが楽しい。 駅までついた。わたしの家は茅ヶ崎なので、いつもどおり陰鬱な雰囲気の東海道線に乗る。 |
| 03/02 |
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奥山君のおごりでマックに行くという。こんな遅くから?もう 22 時をまわっているというのに。 マックは 22 時で閉まる。こいつ何か隠してるな、と思う。 |
| 02/26 |
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既視感 夏の夜、実家の近くの公会堂の駐車場。ナイターの照明が点いている。寒くはない。私は、照明のスイッチのところにいて、点けたり消したりしている。 ワラワラと人が集まってきた。きっと、ナイターの光に集まって来てるんだろう。虫みたいだなあ。僕は、知らない女の子と並んで、照明のスイッチの下に座っている。セックスをしようとしたけど、人がいっぱいいたから止めた。でも、女の子がはやくして、というので、ナイターの光に集まってきている、虫みたいな人間を気にしながら、やる。でも、虫は全然興味ないみたい。 ナイターの照明を消せばいなくなるかな、と思って消したけど、スイッチが壊れたのか、点灯したままだ。仕方がないので、駐車場の裏の田圃の畦道に逃げた。 |